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美術館ギャラリー巡りまくり(感想前半)

昨日今日の二日間で、
・グラフィックトライアル(印刷博物館)
・テマヒマ展(21_21DESIGN SITE/奥村文絵さんのギャラリーツアー参加)
・川内倫子×鈴木康広トークイベント(青山ブックセンター)
・川内倫子展 照度 あめつち 影を見る(東京都写真美術館)
・世界報道写真展(東京都写真美術館)
・鈴木康広 本の消息(NADiff A/P/A/R/T)
・川内倫子展(NADiff A/P/A/R/T)
・林ナツミ展『本日の浮遊』(NADiff A/P/A/R/T)
・YUHKI TOUYAMA 展示(NADiff A/P/A/R/T)
を見てきました。

>グラフィックトライアル
毎年グラフィックトライアルが開催されているのは知っていたのですが、初めて見てきました。
三星安澄さんの"モアレ"の表現の検証は、網店の形や色、モアレを起こすようにずらす角度、ニスの有無、紙の種類、様々な方法で実験されていて、目の錯覚でチカチカするものやとても芸術的に可愛くなっているものもあって、すごく面白かった。
竹内清高さんの作品では、インクの刷る順序やのせ方、紙の種類によって本当に印刷物の表現が変わってくるということがわかりました。正直、紙にあまりこだわりを持っていない私なのですが、これを見てもっと紙の種類や紙にインクがのったときにどういう具合になるのか知りたいし、知るべきだと思いました。
森本千絵さんの作品では、作品そのままでも十分魅力的なのに、ニスや特色の使い用で作品に深みや立体感が物凄く増すということがわかりました。
勝井先生とAR三兄弟の作品は、グラデーションに拘ったものや、ザラザラ・ツルツルのもの、音が出るもの香りがするもの等々、五感を刺激する作品。
どの作品にも本人の作品説明映像がついていたのですが、勝井先生とAR三兄弟の映像のラストは必見w!勝井先生が可愛過g(ry


>テマヒマ展
深澤直人さん佐藤卓さんプロデュースの展覧会。
今までの21_21の展示の中で一番好きでした。
東北の、「食」にまつわる様々な道具や食料そのものの展示で、フードコーディネーターの奥村文絵さんの説明付きの時間に行ったので、理解を深めながら展示を見ることができました。
大根、芋、魚(鰰=ハタハタ)、麩、菓子etc..どれをとっても圧倒的な種類(加工/料理の仕方)や量の多さがあり、展示されている写真も量の多さが際立つような撮影(トリミング)がされていました。
他にも臼や枝きり鋏、リンゴを収穫する為の木箱等が展示されていて、それらを制作する映像展示もあり、この映像がまた最高にかっこよかった…!です。映像系苦手な私なのだけど、この映像は全部最後まで興味津々で見れました。


>川内倫子×鈴木康広トークイベント
>川内倫子展 照度 あめつち 影を見る
川内倫子さんも鈴木康広さんも、名前も作品も知ってはいたのですが、どんなことを考えているのか全然知らなくて。今回生でお二人の対談を見て、物凄く、ファンになりました。w
さらっと聞くはずが、予想以上に対談内容が面白くて、途中で思わずメモを取りながら聞き入ってしまった笑。

チケットの説明には、[写真家 川内倫子][アーティスト 鈴木康広]という書き方だったのですが、話を聞いていると川内さんはアーティストで鈴木さんはデザイン寄りな考え方をしているような気がしました。

これは!っていう作品が思いついた瞬間とかできた時、なぜそれができたのか、思いついたのかは説明できなくて、「思いついちゃった」のであって、理由は後からつけてしまった。という鈴木さんの話に、川内さんが

「後付けで十分」

とおっしゃった時に、なんだか私も少し心が軽くなったような気がしました。デザインの進め方ではあまり良しとされない方法だけど、アートをやろうと思った時は、とにかくこれだと思った時に動き出さないと進めなくなる気がする。

「それは自己分析であって、後付けでも良い。私も最初の作品集ではカメラで現実(外の世界)を撮っているようで、ほんとは自分の内面(狭い世界)ばかり撮っていて、2作目では生まれる瞬間、3作目では家族を撮るようになって、自分が外に出ようとしている感じがした。
映像を撮りはじめた時は「生」を感じて、写真は「死」的な感じがした。自分が生きることに執着するようになっているような気がする。
これは後から自分を分析したこと。」だとおっしゃっていました。

鈴木さんはスタートで自分が何を考えて何を伝えて何を吐き出したいかの答えを求めていて、川内さんは最初は生み出し続けて最近鈴木さんが今求めてるものを見つけ出して。

「はじまりと終わりはどちらでもスタートになる」
とおっしゃっていました。かっっっっっこいい…!

私が鈴木さんにデザイン的な印象を受けたのはまさにこの辺りの部分で。
先に理由や思いがあって、それを形にするという考え方。
アーティストってとにかく思うままにエネルギーをそれぞれの表現方法で放出することが許されるっていうか。
うまく文章にできないのだけども´〜`;

あと、これからどうしていくか何も考えてないという鈴木さんの話(問い)では、川内さんが

「叫び続けるしかないんじゃないの」

とおっしゃって。
もう、会場中が、"川内姉さん…!"と胸キュンを免れなかったのではないかと笑。

「"人に伝えたい・発表したい"が目的になると作品が濁る」
って、すごくわかるのだけど、ほんとに決意が必要というか、アーティストという職業の厳しさを表した言葉だと思いました。
作品が売れて有名になったらお金が入って、
お金が入るシステムを人が分析しないわけがなくて、
そんな中でブレずに、ずっと自分を出し続けるって、
元はやりたいことスタートだけど、自分との戦いが苦しいだろうと思いました。
いや最初から世間アウトオブ眼中だったらいいのだけど。

川内さんはアーティストでありながらアーティストという仕事を全うしている写真家さんなのだと思いました。全く自由に叫び続けるのではなく自分の立ち位置がわかってる。鈴木さんも同じ(似てる)思考だから、この二人のお話はテンポがよくて、聞いていて楽しかったのかも。

写真美術館・ナディッフの展示では、お話を聞いたこともあって、一つ一つをありのまま見ることもできれば、前日の話を思い出してじっくり見ることもできました。ネットで川内さんが映像や野焼きを撮ったものを発表すると知った時は、私のイメージする川内さんの路線と全然違って、その変化に動揺とか不安を感じたのですが、やっぱりそれは川内さんの作品で視点であって。とても良いものを見させて頂きました。

鈴木さんの作品はギャラリーだとどうしても小さい作品しか展示ができないのですが、パラパラ漫画であったり本のインスタレーションであったりと、とても美しくて可愛いアートでした。静岡という繋がりがあるのだけど、そういえば鈴木さんの作品を生でちゃんと見るのは初めてでした。噂によると、母校の非常勤講師をされているそう…後輩が羨ましい´△`…!!!!!


感想後半戦は後日、わすれない内に。
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