武蔵野美術大学美術館で行われている
「ダイアグラム教育」展
太田徹也の教育の軌跡ー明日を予測する情報の形とデザイン
を見てきました。
太田先生が教員を辞めるので、太田先生の今までの授業の成果(=生徒作品)を展示してあります。
展示自体は小さめの展示室で、グラフやチャートなどの分野別に生徒作品が展示してありました。
時刻表のダイアグラム、漫画の人物の相関図、自宅から大学までの距離のダイアグラムなどなど。すごく面白そう。(実際制作に入ると苦しいのは知っているのだけどw)
実際どの授業よりも課題数が多く厳しい講義だそうなのですが、なんだか見ていて受けたくなりました。わたしもこれくらいがっつりダイアグラムやりたい。
シンポジウム
「デザインとダイアグラムをめぐってー視デの教育を語るー」
(太田徹也先生×勝井三雄先生×新島実先生)
では、太田先生が田中一光さんのところで働いていた頃の話から、ムサビで授業をはじめることになったきっかけ、授業内容などをお話してくれました。
展示を見ていた時に、生徒作品が記号とか線と面だけのイラスト要素ゼロの大人びた作品が多くて(ムサビの視デ学生ならもっとイラスト入れてもうまくやりそうな気がするのに)。なぜだろうと思っていたら、授業でイラスト要素は太田先生が「拒否」しているのだそうです。わ…わらえない…w
太田先生曰く、「それは制作の制約であって、制約がないと生徒は作れなくなる」のだそう。わかる気はするのですが、個人的にはちょっと寂しい。
時代的に、烏口とかカッター、ハサミ、糊等々で、手作業でそれはもう美しいポスターとかを作り出していた世代の先生で。
他の人もみんなそうで。
講演中、やたら「若い人は〜」「今の人は〜」って言われて、無駄に壁を隔てられた気がしてなんだか悲しくなりました笑。
今の学生は文字を知らない。
今の学生はノリもハサミも持ってない。
今の学生は色の掛け合わせを答えられない。
言いたい事はとってもよくわかるのだけど、なんだかなあ。
でも、必ずどの美大にもどのデザイン会社にも、こういう人はいるよね。
むしろこういう世代がいなくなってしまう時代も怖い気がする。
…話逸れた。
最後にデザイン教育についてお話されていて、
「社会ですぐ使える人材をつくるのが教育ではない。同じ物をすぐ作れるような人間では駄目で、その制作の裏側や内部がどうなっているかを見れる人になって欲しい。今の教育はどうも表面上のことばかりになってしまっていて悲しい」
とおっしゃっていました。
良い話…;ω;。と思ったけど、実際会社は即戦力の方が求めてたりするんですよね…と就活真っ只中だと思ってしまう。難しい。
なんだか、別に教育関係じゃないのに、いろいろ考えさせられました。
(美しいダイヤグラムに癒されようと思ったのに…)
講演会はチラシにメモするのが好き。